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.楽天堂の理念 by 高柳無々々

豆はおいしい。
豆は安い。豆は保存がきき、
楽しく料理ができてからだによい。
世界中の人がこぞって肉を食べれば食糧危機は深刻になるばかりだけど、
豆なら大丈夫です。
世界中の人が満ち足りた食事ができるように―
これが楽天堂・豆料理クラブの願いです。


北の大地で、豆農家は・・・
 銀手亡(ぎんてぼう)というお豆を知ってますか?楕円形の、白いんげんの仲間ではこぶりなお豆です。この豆は和菓子の白あんにもつかわれるほど上品な味わいなのですが、原種にちかくツルが2メートルあまりも伸びるので機械収穫ができません。そのため今ではほとんどつくられておらず、幻の豆と呼ばれています。
秋場和弥さん  北海道・北見地方で、このお豆を無農薬でつくり続けているお百姓さんがいます。それも化学肥料はもちろん有機質の肥料さえ用いない無施肥栽培で、です。秋場和弥さんは、父親の代から無農薬無肥料で農業を続けてこられました。父の跡を継いだ三十数年間、数々の苦闘の果てに一時は離農寸前にまで追いつめられましたが、野菜と豆を交互に作付けする農法を見出して土を甦らせ、銀手亡も復活したのです。強い信念なくしては貫けない生き方です。
 幸いなことに、埼玉の自然食品店・サンスマイルの松浦智紀さんを通じて楽天堂は秋場さんと出会うことができました。食を通して世直しの旗を掲げる秋場さんに、楽天堂は共感し、応援したいと思います。豆料理クラブで扱っている日本のお豆は、秋場さんと、そのお仲間で十勝の折笠秀勝さんから入れさせていただいてます。
 銀手亡(ぎんてぼう)という不思議な名前は、なぜついたのでしょう?サンスマイルの松浦さんが北海道の農業試験場に問い合わせたところ、諸説あるが不明であるという返答でした。実は、日露戦争で負傷し片手を亡くした元兵士が、北海道に入植し、ロシアから持ち帰った豆を広めたことからその名前がついたことが分かりました。日露戦争(1904-1905年)から100年。ひるがえって考えれば、もともと中南米原産のいんげん豆は、コロンブスの侵略によってヨーロッパにもたらされ、それが回り回って日本まで伝えられたのです(江戸時代に隠元禅師が中国からもたらした豆を“いんげん”と呼ぶようになりました)。豆―食―文化は、このように戦争と悪縁を持っているのでは、とも思えてしまいます。

 2002年10月に、私たちは豆料理クラブをスタートさせました。前年の9月11日、アメリカでのテロであらわになった世界の不平等――この圧倒的な現実を前に、沈黙に代わるものとして〈豆〉を置きたかったのです。一粒の豆、生きている、それをコトコト煮て、味わう。食卓で、分かち合う。日々の小さな営みですが、そこにこそ(それ故にこそ)変革の可能性が宿されているのではないか・・・言うまでもなく、今日明日で私たちの願いがかなうことはないでしょう。銀手亡が百年かけて北海道の大地に根づこうとしているように、それこそ三世代にわたる人から人への継承が求められると思います。私たちはそれを〈豆料理普及100年計画〉と名づけました。
 
 今日のことで力を落とすことはない。明日を思いわずらう必要もない。百年後に、分かち合う文化が実を結ぶのを願って、日々の歩を積み重ねていこうと思います。


楽天堂・豆料理クラブは
豆と豆料理の普及を通して、
分かち合う文化の創造に努めます。


2.コミュニティ活動


メーリングリスト(略してML)とは、投稿されたメールをグループ内のメンバー全員に同時に送信する仕組みで、メールによる井戸端会議のようなものです。豆料理クラブのメーリングリスト[100年計画]では、お豆や豆料理の話題にとどまらず、社会・政治・文化に関して活発な意見表明や情報交換が行われています。

なお、豆料理などのレシピや役に立つ“豆”知識をピックアップして、ホームページで一般公開しています。 詳しくはこちらをご覧下さい。



豆ランチパーティーは、ゲストを囲んだ昼食会です。ゲストのお話を一時間ほど聞いた後、昼食(豆スープなどの豆料理+天然酵母パンまたはご飯、デザートなど)を食べながら参加者で歓談します。豆料理クラブ会員が持ち寄る一品料理も楽しみですし、一人一人の自己紹介や感想を聞くのも貴重な体験です。

 参加費は、豆料理クラブ会員とその家族が1500円、一般が2000円です。次回の日程は、豆料理クラブ会報に記載しています。【過去の記録】
豆ランチパーティーat下鴨サプライズ!
豆ランチパーティーat下鴨サプライズ!


からだとことばを育む会

 〈分かち合う文化〉の創造は、他者と“なじむ”という同化の身体感覚から――楽天堂では腰を鍛え肚(はら)の感覚を甦らせる身体(からだ)の稽古会〈からだとことばをを育む会〉を催しています。詳しくはこちらをご覧下さい。



 保温調理用の鍋カバーというものをご存じですか?お豆を一度煮立てて火を止め、あとはこの布で鍋をくるんでおくと、ちょうどよいぐあいに豆が煮えるすぐれものです。豆料理以外にも、シチューやおでんなどの煮込み料理に使えます。

 ただ市販の商品(鍋帽子など)は、デザインと機能で物足りなさが残ります。そこで京都の豆料理クラブ会員有志+インド・カルカッタ在住のモーラ・ハ−リ−さん+現地の女性団体JEEVIKAと共同でオリジナル鍋カバーを開発しました。
鍋カバー
  着古したサリーを裂き織りにした布地を用い、裏面は無地でシンプルに、折り畳めばコンパクトに収納できます。お部屋のインテリアにもなる出来栄えです。閉じひもの長さや中綿の厚さなど、モニターになった豆料理クラブ会員の声を活かして随所に工夫をこらしています。2007年より販売を始めました。価格は2940円(税込み)です。 

 この鍋カバーの販売利益は、山口県上関町に建設が計画されている上関原発に25年にわたって反対運動を続けている祝島の人たちに全額カンパすることにし、窓口として〈わたしたちの海基金〉を設けました。基金に関する事務費用は楽天堂で負担し、全額を〈上関原発を建てさせない祝島島民の会〉に寄付させていただきます。詳しい経緯はこちらをご覧下さい。

楽天堂では、2006年9月〜2009年2月までに販売した鍋カバー約320個の売上利益21万円+個人カンパ78188円=合計28万8188円を、〈上関原発を建てさせない祝島島民の会〉に寄付してきました。



 豆パートナーとは、Basicコースを1年間終了された方を対象にした販売協力者制度です。楽天堂で扱っている豆や豆料理キット、スパイス、鍋カバー、書籍などの商品をご自宅やフリーマーケットなどで自由に販売していただいてます。自宅での豆料理パーティー、イベントへの出店etc.・・・創意工夫して楽しみながら、豆料理普及の手助けをして下さい。

 同じく楽天堂取り扱い商品を販売していただいてるお店が豆ショップです。自然食品店やレストラン、パン屋さんフェアトレードショップなど、全国で約50店舗が登録されてます。また2005年春からは、WWF(世界自然保護基金)のwebサイト・パンダショップでも扱っていただいてます。


その他・・・