豆ランチパーティーの経験

beans-chain 豆はおいしい。
豆は安い。
豆は保存がきき、
楽しく料理ができて体によい。
世界中の人がこぞって肉を食べれば食糧危機は深刻になるばかりだけど、
豆なら大丈夫です。
世界中の人が満ち足りた食事ができるように―
これが楽天堂・豆料理クラブの願いです。



 高島千晶 (2005年6月14日)

 楽天堂では、毎月10人から20人くらいの、豆ランチパーティーを開いています。豆料理を中心とした持ち寄りのランチパーティーで、毎回、ゲストを招いてテーマを決めて話してもらい、参加者も自己紹介を含め自由に話してもらうというもの。このあいだの日曜で、18回目で、テーマは「デンマークのエコビレッジ」でした。その前は、このあいだ少し書いたとおり「オーガニックコットン」がテーマで、糸を紡ぐワークショップ付きでした。

 場所は、最初我が家の六畳間でやっていました。小さい子がいるので、掃除と料理をいっぺんにするのがやっかいで、今は会員の家や店を点々として、開いています。「勉強会」というのでは集まりにくくても、豆ランチパーティーという感じだと、集まるかもしれません。豆料理が食べたいだけで来る人もっけこういます。結果として、話にもみなさん夢中になられるのですが。

 ゲストスピーカーは、先月は東京メイドインアースの前田さんを招きましたが、それは特殊な例で、いつもは京都の会員が話します。今月は25歳の女の子がデンマークに行った時の話をしました。同じくらいの歳の人にスペインに行った時の話をしてもらったこともあります。また60を越したおじいちゃんに京都に人付き合いの仕方について話してもらったこともあります。40くらいの旅好きのご夫婦に、アジアの台所について話してもらったこともあります。化学物質過敏症の人に、化学物質のしんどさについて話してもらったこともあるし、自然農のお百姓さんに、農業について話してもらったこともあります。みんな、店で出会った人たちです。人前で自分の話をしたことなんてないって人がほとんどなので、そんな機会が嬉しいようで、自分のお友だちを誘ってきてくれます。

 面白い話をするお客さんがいたら、まず店で出してる季刊のかわら版『らくてん通信』に何か書いてもらって、それについて、もっと話を聞きたいという人がいたら、その時点でパーティーを開くというパターンも多かったです。

 豆料理は一人分作るのも、大勢の分を作るのも、手間がかからないので簡単。ごちそうではありません。世界中の庶民の日常食をつくるだけです。たとえば、レンズ豆と玉ねぎとトマトで。わたしが豆スープとパン(近くの天然酵母のパン屋さんから買う)を用意し(余力があればもう何品か)、後は適当に会員の持ち寄りです。「持ち寄り大歓迎」とお知らせの紙に書いておくと、たいてい何人かは持ってきてくれます。どれもきどらない総菜だとしても、たとえば5人の会員がもってくると5種類の豆や野菜の料理が食べられるので(あるいはデザート)、とても好評です。会費は一般1500円、会員1000円にしています。

 最初はテーマを決めず、ただ豆料理を食べて自己紹介するだけというものでしたが、それだけだと散漫になって、密度のある場が作れなかったので、3回目からテーマを決め、ゲストの人に話してもらうというスタイルをとりました。日曜の11時から1時間話してもらって、あとは食事をしながら2時か3時まで。結局夕方までということも多々あります。はじめて1年半たって、毎回、毎回、さわやかな集注した場になっています。参加者はその都度違うのですが、はじめて来た人も、初めてじゃないみたい、と言って下さいます。気のおけない人間関係ができます。(当初は、集まった人が忙しく情報交換する場にすぎなかったのですが。)

 この春からWWFの通販でも扱ってもらい、好評です。京都でも何店舗か扱っていただいていますが、「大好評!」という反応が多く、リピートオーダーが入っています。豆ランチパーティーをし、コミュニティーづくりをしつつ、豆料理キットを店舗で売れば、お豆の普及につながり、一石二鳥だと思います。21世紀の食糧問題、経済格差、環境問題を解決するには、お豆料理の普及がとても重要だと思うのです。インド、アフガニスタン、イスラエル、メキシコ、、、お豆は世界中の庶民に食べられています。その庶民の知恵を今こそ分かち合う時だと思います。それで3年前に豆料理クラブを始め、2年前に豆屋を始めました。

 もし、声を掛けて下さる方がありましたら、お豆料理、作りに行きます。お豆が、いかにおいしく、簡単にたのしく料理ができ、世界中の庶民の中に多様な豆食文化があるか、よかったらお話しもさせていただきます。5月には長野の伊那で豆ランチパーティーを開きました。京都以外で開くのは初めてでどうだろうかと思いましたが、集まった皆さん、とても楽しんで下さいました。お豆料理は、待ち望まれていると思いました。(長野の郷土料理や山菜料理をもってきてもらって、わたしも嬉しかった。)豆料理クラブの会員は全国に200人近くいます。皆さんのお店の近くにも、きっといらっしゃると思うので、いい場ができるのでは、と思います。