| クミンとコリアンダー あの中華やタイ・メキシコ料理などで上にのっかってる、カメムシのようなすごいにおいで知られるコリアンダー(香菜)の葉っぱ、絶対食べないもんといってる方、コリアンダーの実がカレーに必ず入っているのをご存知ですか? クミンと共にセリ科の植物で種子を粒のまま、あるいは炒ってから粉にしてカレーをはじめ、チーズやお菓子に使います。インドの伝統医学アーユルヴェーダではおいしい豆料理を作るときにこれらをちょっと加えることで消化を助けたり、ガスがおなかに溜まらないように駆風効果をすすめています。クミンにはしょうがやこしょうと同様に体を暖め、コリアンダーにはやや体を冷やす作用があります。 複雑なスパイスの組み合わせを想像するカレーですが、実はこの2つだけでおいしくできてしまうので紹介します。 タルカリ(ネパールの野菜炒め)4人分 【材料】 玉ねぎ 半個分(みじん切り)*、トマト 半個分(ざく切り)*、ジャガイモか里芋 中3−4個(皮をむき2cm角にカット) 、大根やカリフラワー・キャベツなど好みの野菜 カップ3−4(拍子切りや適当な大きさに切る)、ニンニク1片&生姜親指大(みじん切りにして和えておく)、クミンパウダー 小匙半分弱、コリアンダー 小匙1杯、ターメリック(ウコン) 小匙1/4*、唐辛子 好みで適量*、塩 小匙1 *=省略可 【作り方】 1.片手鍋かフライパンで油を強火に熱し、普通のカレーを作るように玉ねぎを初めにさっと炒め、次に大根など火の通りにくい野菜を順に加えて炒める。 2.ある程度火が通ったらにんにくとしょうがを加え、香りがしてきたらトマト・スパイス・塩を加えてよくからめるように炒める。 3.カップ半分くらいの水を加えてふたをし、柔らかくなるまで煮込む(最初強火でごぼごぼと段々弱めて)。 えっ、これだけ?と驚かれるかもしれませんがほんの少しのスパイスでいつもの野菜炒めがおいしく変身します。ちょっとだけ水を増やしたり小松菜や白菜をおしまいの方に加えるとスープっぽく、完全に蒸しきると(ふたをしないと火が通る前にこげやすいのでふたをしてときどきかき混ぜましょう)インドのサブジ風になります。季節によってネパールではタケノコや菜の花・きのこ・うりをいれたり、お好みで少し肉やゆで卵も入れます。更にしらたきや牛肉を加えるとチベット風、でも日本人にはあれ、すき焼き?みたいです。 スパイス加える順番とかめちゃくちゃじゃない、というインドのカレーに詳しい方も大丈夫ですので一度このままやってみて下さい。インドとは全然違う、さっぱりしたより日本人に食べやすい仕上がりです。小さい子も食べるときは唐辛子を除き、子供の分だけ最後にはちみつやジャムをひとたらししましょう(保育園で習いました)。次回から少しずつ減らせば普通のカレーも慣れていくと思います。 バジル イタリア料理でトマトと相性抜群のバジルですが、東南アジアが原産の1年草です。タイではバジルの葉を野菜炒めの最後にいれたり、インドではホーリーバジルと呼ばれる種を必ずヒンドゥーの寺院や庭先に植え、庭を案内してくれるときは真っ先に紹介するほど大事にされています。 ヨーロッパでは香りが気持ちを元気に、頭をすっきりさせてくれ、頭痛にも効果があるため、布袋に入れて持ちあるいたり、香水に使いました。何と“ほれ薬”としても効果があるとか。 栽培も簡単で、春おそじもが終わってから種をまき、日当たりのよい場所でよく育ちます。葉の採りたいうちは花芽を摘みます。寒さに弱いので、20度以下になったらさっさと種を来年用に取ります。霜がおりたらさようなら。トマトの間に植えておくとアブラムシが嫌がります。たくさん葉がとれたら、にんにく・オリーブオイルと一緒にミキサーにかけてペーストを作ると冷蔵庫で保存がききます。野菜炒めにするとそれほど香りがきつくありません。卵や魚にも合います。生の枝を摘んで部屋に飾ると他のハーブと比べ、葉をもまなくてもさわやかな香りが広がります。 レモン 現在カリフォルニアやスペインのシシリーでの栽培が有名なレモンは意外にもヒマラヤ東部アッサム地方原産で、ヒマラヤの山岳地方では乾期になると野生はもとよりいろいろな大きさのレモンがたわわに実り、漬物を始め、毎日の食卓に欠かせません。小さく切って30%のアルコールに漬けて暗い場所で1週間ほどおくとレモンパックができ、コットンに含ませて顔につけます。皮を捨てずにとっておいてお風呂にいれると赤ちゃんの湿疹が和らぎます。ふっとうさせた牛乳にレモンのしぼり汁を加え(牛乳1Lあたりレモン1個)、布巾でこすと家でカッテージチーズができます。 |
| 「ねえギートゥ、スパイス持って帰りたいんだけど、どれを買ったらいい?」インドの孤児院へボランティアに来たマリオン。半年が経ち、インド料理の味を忘れずにフランスへ持ち帰りたいようだ。「でもね、普段ママに料理はお任せで使いこなせるかなあ」・・・メールでママに送ってもらったレシピでおいしいクレープを焼いてくれた時の事。 日本でもよく訊ねられる質問、「それならクミンとコリアンダー2つだけならどう?」隣で聞いてたインド人のシャイニーがそうそうと相槌を打つ。「で、帰る日まで毎日料理を習ったら平気よ」と。 日本のスーパーに並ぶスパイスのビン。エスニックやハーブを使った料理を始めようと、わからないまま高いのにひと揃え買ったはいいものの、使い切らずに古くなったり。その脇には○○種類のスパイスをブレンドした何とかカレーの箱がずらっと並び、レストランでは辛さうん十倍カレーがあるからだまされても仕方がない。そして「スパイスが入っていると辛いんでしょ?」「めんどくさそう」と敬遠してしまう。 でも実際インドの家庭料理で使われるスパイスの量といったらほんのわずか、種類にしても2−3種類のものがほとんど。ガラムマサラも毎日は使わない。地方によって味噌の味が違うように数種類のスパイスミックスにバリエーションがあり、肉料理、天ぷら、スナックのたれ、漬物など味のしっかりしたものにはそれぞれのうまみが引き出せるようなマサラがある。しかし、日常口にするおかずのような炒め物などは極めてあっさりしていてあきがこない。例えば「えっ、これだけ?」とマリオンが驚いたサグ(菜っ葉の炒め物)を紹介すると・・・ 【材料】 小松菜やホウレン草など好みの菜っ葉(ヒユの仲間みたいな雑草をインドではよく食べる) 1束を洗って適当に切る、しょうが 1かけをみじん切りorすりおろす、クミンシード(粒) 小さじ1/4、塩 小さじ1弱 【作り方】 1.強火で鍋(中華なべがおすすめ)を熱し、油大さじ2ほどを鍋に入れる。 2.クミンシード(粒)を入れパチパチ跳ねてからしょうがと菜っ葉を加え炒める。 3.塩を加えてかき混ぜたらふたをしてだんだん火を弱めていき、かさがへったらできあがり。 今までインドで菜っ葉をゆでる光景を目撃したことがない。必ず炒めている(ホウレン草もあく抜きしない)。ここで味付けの決め手は油に香りを移したクミン。これが十分でないと塩味の菜っ葉+苦い粒々に。粒で使うスパイス(他にマスタード、カルダモン、アジョワンなど)は基本的に炒める前に油によく通す。こがしてはいけないが一歩手前。特にフェヌグリークは一番最初に油に放り込むのだが、料理してた人が台所を離れて別の用事に行ってしまったり、忘れちゃったのかな・・・と心配してたら戻ってきて野菜をどさっと入れるくらい長いことそのままになっている。粒のクミンがなければ同量で上記のスパイスの粒かクミン粉、コリアンダー粉(小さじ1)で代用してもOK。でも粉は野菜を炒めたあと加え、よくかき混ぜる。あまり入れすぎると粉っぽくなるので注意。 このスパイスの分量でなす4−5本(小口切り)やじゃがいも2−3個(1.5cm角に切る)、オクラ(2−3ネット、洗ったら水をふき取り2cmほどに切る)などをそれぞれ同じ要領で炒め、ふたをして蒸し煮すると簡単でおいしいおかずサブジがすぐできる。 最初慣れないかもしれないが、ほとんど水を使わず、でもこげつかないよう、野菜の水分だけで蒸し煮する(こげそうになったら水を少し足して)。スパイスを油に通すときは火が強いがだんだん火力は弱めていく。インドではカライという小型の中華鍋(少ない油でこげつかない)やコッヘルのようなアルミ鍋を使う。油は日本の炒め物より大目、ピーナツ油、菜種油、ココナツ油など重たいのも結構ある。日本と比べ,だいぶ長い蒸し煮時間とスパイスの香りを油から野菜に染込ませるためにはたっぷりの油は仕方がない。しょうゆ、みりん、お酒などの調味料が液体で調理時間が短いのに対し、スパイスは香りのもとをいったん油に移し、粉が野菜になじむまで長い時間を必要とする違いがあるのだ。せめてこげつきにくい鍋を選ぼう。ぴかぴかつるつるのステンレス鍋より使い古したカレー鍋や雪平鍋のほうがいいかもしれない。 Bに続いて 4.ニンニク1片(みじん切り、しょうがを入れる時)やトマト1/4(野菜を入れる時)、ターメリック小さじ1/4(もちろん野菜を炒めたあとのパウダースパイスを入れる時)を加えるとだんだんカレーに近づく。さらに@からCまで終えたサグにガラムマサラを加えギョウザの皮で包んで蒸すと何とネパールのモモのできあがり。モモのたれも同じ要領で玉ねぎ1/4みじん切りとトマトピューレ半分に油で熱したクミン+しょうが、にんにくおろしをじゃっとかける。好みでコリアンダー葉を。 最後にインドのコロッケ、アルワダ(カトゥレットともいう、カツレツの語源か?)。 【作り方】 1.ゆでたじゃがいも4−5個をボールに入れてマッシュ(インドで圧力鍋の下段にイモ、上のカップにダルをゆでていた)しておく。半分に切って後で皮をむくと簡単。 2.サグと同量、同じ手順で油にクミン(マスタードでも)、にんにく・しょうがのあと玉ねぎ1/4(みじん切り)を炒め塩、クミン粉、ターメリック粉を加えたら全部@に入れる。 3.小麦粉カレースプーン7(あればチャナ・ベサンというひよこ豆の粉)とソーダ(ふくらまし粉)小さじ1/4を少量の水で溶き、あればアジョワンシードを加え、@に入れる。好みでグリーンチリやコリアンダー葉を刻んだのも加え全部をよく混ぜる。 4.直径3−4cm位のボールや小判型にまとめてやや高めの温度の油であげる.ボールの表面にコーンミールをまぶすとクリスピーな感じに。パンにはさんで食べる。 たった2種類であれこれ作れる、便利なスパイスなのにスーパーに並ぶビンには大抵ない。仕入れる人にもスパイスについて誤解があるのだろう. 「野菜がこんなにおいしく食べられるのを知ると,フランスに戻ったら毎日メインディッシュの肉や魚ばかり食べられないわ」私もいつしかそうなってしまった。 |
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